┃桑沢特別賞
佐々木苑子(人間国宝・紬織作家/2部38VDB)



佐々木氏のつむぎは、素朴なかすりの伝統を踏まえながらも、写生にもとづいた創作図案を絵がすりとして表現するなど表現の可能性を拡げ芸術的価値を高めたものとして評価されています。
昨年、人間国宝として認定されました。

1939年生まれ。1963年桑沢デザイン研究所卒業後染織の道を志し技術を磨く。1969年に自宅に織物工房を設立し、、伝統的な紬織の技法を高度に体得。作風は、素朴な絣の伝統技法を踏まえながらも、写生に基づいた創作図案を絵絣として表現するもので植物染色による澄明でやわらかな、品格の高い色調とあいまって、従来の紬織の技法に絵絣を導入するなど表現の可能性を広げ芸術的価値を高めたものとして評価されている。1983年「伝統工芸30年の歩み」展招待出品、1993年、ローマ法王に祭服を制作・献上、2003年「日本伝統工芸展50年記念展 わざの美」展招待出品など作品を発表。
2002年、紫綬褒賞受賞、2005年、人間国宝に選ばれる。

■受賞のことば
文化庁より人間国宝のお話があって、重荷でもありこれから先続けるのは大変なことだと断わったのですがもう決まりましたので、ということでした。
私は桑沢時代は劣等生でした。だから賞をもらってもいいのか申し訳ない気持ですが、卒業以後40年近く織の仕事が好きでこの道を続けてきた結果が今あると思いますので、特別賞をいただいてもいいかなと思って今日まいりました。本日はどうもありがとうございました。