┃桑沢賞
毘堂(=山口比呂樹:能面彫刻師/1部H3L研GD)


1970年福岡県生まれ。1991年桑沢デザイン研究所グラフィックデザイン研究科を卒業。
1992年能面師 小川玄洞に師事、1996年に師 玄洞より「毘堂」を拝命され、1998年に能楽師 宝生流宗家宝生英照より能面師として宝生流への出入りを許可され、以後独自の表現とデザイン手法で能面師界に新風を吹き込む。1997年より現在まで、ルーマニア国立美術大学をはじめ、米国レッドウッド大学やロサンゼルス・カウンティー美術館、 サンタ・バーバラ美術館など多くの大学や美術館にて能面制作についての講演や能面制作を行なう。2002年、能楽師 宝生流宗家 宝生英照から能面「釈迦(しゃか)」「中べし見(ちゅうべしみ)」の制作を依頼され、能舞台「大会(だいえ)」に使用され注目される。  
作品は、ミネソタ州立ミネアポリス美術館、ターゲット・コーポレー ション、日大演劇資料館、宝生会館ほかに収蔵されています。
現在、桑沢デザイン研究所非常勤講師もつとめています。

●受賞のことば
このたびは桑沢賞をいただきましてありがとうございます。たいへん感激しております。この世界に身を投じてはや20年。近年は伝統技法を使って自分独自の表現を模索する日々です。家族、パートナー、そして多くの友人の方々の協力と応援のおかげでこの賞をいただけたと思います。本当にありがとうございます。そして改めて思うのは、自分の修行時代に師匠がよく言っていましたのは「能面師として物を作るものとして、いいものを生み出すのは当然で、それに伴う人間としての成熟がなければ意味を持たない」という言葉をよく言われていました。いまこの言葉を改めて思い出します。この言葉を胸に、これからの日々を精進して参りたいと思います。本日はありがとうございました。


毘堂氏作品