2007年第1期 桑沢デザイン塾、無事終了。 ( 2007年08月03日掲載 )

image_05_015月26日より7月14日まで、各講座5回にわたり2007年第1期桑沢デザイン塾が開催されました。

 

毎回大変ご好評をいただいているワークショップ「絵を描く」、人気講座の「続・明和電気のナンセンス・プロダクト」「立体イラストレーションの基礎」、 2005年開催時に好評を博し、今回はさらなるパワーアップを試みた「デザインの説得力を身につける」II、以上4講座のラインアップで行われました。

 

「絵を描く」は好評のレギュラー企画で、もう5年目に突入しました。「続・明和電気のナンセンス・プロダクト」は架空商品をプレゼンテーションする妙技 (?)を学び、ナンセンスを多いに楽しむ内容。「立体イラストレーションの基礎」では、4人のイラストレーターの先生と共に創作する楽しさを体験し、「デ ザインの説得力を身につける」 II では講師と受講生、またデザインの世界に身を置く者同士の、垣根をとっぱらった白熱のディスカッションが行われました。

 

どの講座も毎回受講生の皆様、講師の方々の熱気にあふれ、充実したものとなったようです。
各講座の企画担当より、レポートをお送りします。

 

● ワークショップ「絵を描く」

image_05_02各先生・スタッフのおかげで無事に終了いたしました。
「絵を描く」はもう5年ほど続いている講座ですが、いつも大勢の受講生にご参加頂きまして、朝倉摂先生をはじめ 3名の助手の方も大変感動していらっしゃいます。 毎回本講座を受講されているリピーターの方も多く、皆さん日を追うごとに大変上達されています。朝倉先生も指導されながら「皆さん大変良くなってきています」とコメントされていました。

 

「犬を描く」というテーマの日には、本物の犬が数頭モデルにやってきました。犬を見かけた在校生が奇妙に思ったのか 「なぜ学校の中に犬がいるんですか!?」と問いかけてきたのが印象的でした。講座が始まるとその在校生が見学に来て、 受講生が熱心にデッサンをしている姿に感激していました。

 

受講生の皆様からは、この「絵を描く」の講座はず〜っと続けてほしいという多くのご意見をいただいております。
朝倉摂先生、助手の方々もこの講座をこれからも続けていきたいと言われています。
われわれ同窓会のスタッフも、今後も講座が長く続くよう、ボランティアの生徒さん方と共に頑張ってサポートしていきたいと思います。(by担当)

 

●ワークショップ「続・明和電機のナンセンス・プロダクト」本気で作ろうキテレツ!製品

image_05_03今回で二回目の明和電機・土佐社長のワークショップ。この講座は受講者の参加意識の高さが一つの特徴となっています。今回も熱心かつ丁寧(&ユーモアたっぷり)な土佐社長の講座の進め方から、「作ること」を色々な角度で学ぶことができ、非常に有益な講座となりました。

 

いくつかのグループ(明和電機のグループ会社という設定)に分けられた受講生達が、架空の(ありえない)商品を5回の講座で切磋琢磨して作り上げていくわけですが、圧巻は最終日のプレゼンテーションです。その「あり得ない商品」を作ったコン セプト、社会性、売り方などを、他の参加者にプレゼンテーションし、見事に納得させる興奮の時間。 発想のコツは「ナンセンス」。ナンセンスというワードが加わるだけで、発想や創作がこんなにも自由に楽しく出来るのかと感激した、魅力たっぷりの明和電機・ワークショップでした。(by担当)

 

●ワークショップ「立体イラストレーションの基礎」切って、貼って、こねて、広がる表現!

image_05_04立体イラストレーター、森井ユカによるワークショップの3回目が無事に終わりました。前回は「カワイイ!」にテーマを絞ったキャラクターデザインでした が、今回は『立体イラストレーションの基礎』。立体製作を守備範囲とする4人のイラストレーターのみなさん(いとうまなぶさん・杉浦さやかさん・おさない まことさん・田代卓さん)をゲスト講師に迎え、毎回異なる素材を使い、その回ごとに出題される課題に取り組みました。

 

講座では、まずゲストの先生にイラストレーターになった経緯を伺い、作品を拝見し、その日の課題を出していただきました。そして作るものが決まったらグ ループ内での発表、製作、講評。毎回あっという間に時間が過ぎましたが、刺激の強い、密度の濃い講座になりました。

 

このような講座でつくづく思うのは、志を同じくする人たちとの出会いが一番の収穫だということです。ひとことでも周りと意見を交わすだけで、作品は生き生きしてきます。また、次の機会を私自身楽しみにしています。(by担当:森井ユカ)

 

●「デザインの説得力を身につける」 II

image_05_05前回、好評だった講座「デザインの説得力」の第二弾。前回とタイトル こそ同じではあるが、内容に大きな違いがある。前回はデザイン業界で活躍されている4名の方をゲストに迎え、 説得力についてお話を伺うことができて好評ではあったが、話を聴くという講座に終始していた。そこで今回は、受講生が積極的に参加できる仕掛けを試みた。例えば、山本氏に指名された受講生は、大人数の前へ出て、山本氏との意見交換を行うという具合だ。

 

初回は山本氏から受講生へ「いったいなぜこの講座を受けたのか?」「何が知りたいのか?」という質問を投げかけることからこの講座はスタートする。そして 次に、3名のゲストの方々を迎え、それぞれの異なった個性が考える説得力についてを、存分に語っていただく。そして、最終回には山本氏と受講生とのディス カッションのなかで、山本氏が受講生に「説得力とは?」に対する答えを返すというのが全体の流れである。

 

「デザインの説得力」という正解のない題材を取り上げた今回の収穫は、参加していただいたすべての受講生の方がそれぞれ違った個性のフィルターを通して、ひとつの答えを出し、持ち帰っていただいたということにつきるのではないかと思う。(by担当)