今年も夏期講習が盛況のうち終了 ( 2007年09月04日掲載 )

image_06_01毎年、桑沢校舎にて催す真夏のイベント、夏期基礎造形講座が今年も好評のうちに幕を閉じました。 この講座はデザインに興味のあるビギナーの方や、美大受験などを検討中の学生さんを対象にしている講座で、来年に受験を控えた大勢の受験生が参加されていました。 運営担当理事のもりいがレポートいたします。


近年のハイティーンはなかなかおとなしいです。不遜を承知で申し上げると「リアクションが薄い」。名前を呼んでも挙手して「はーい」と言わないし。


こんなエピソードがありました。ある生徒さんのデッサンが紛失したのでスタッフが教室を出たり入ったりしながら血眼になって探したのですが、 結局それは別の生徒さんのいるテーブルの端に置いてあったんです。「これ、きみの?」「いいえ」作品の名前を確認したら探してるデッサンでした。
「いつからここに??」「最初から」…ぎゃふ〜ん!シレッと言ってくれちゃってますが、我々は何度も「近くに見かけないデッサンがあったら教えて下さい」とインフォメーションしてたんです。


わたくしのような昭和人間は「お返事ははっきりと!」とか「ハキハキ言いなさい!」てな教育を受けてたから、じれったくなります。んま、生徒さんたちも場に慣れるまでシャイになってるのでしょうけれど。


この講座に携わり始めた20年ほど前に比べると、所謂ムードメーカーがクラスからいなくなり、同時に最終日にみんなで飲み会に(もちろんノンアルコールですよ)繰り出す、というような盛り上がりも無くなりました。 逆に、私の色彩構成の授業でも「客いじり」的に特定の生徒さんをピックアップして 話題の中心に持って行くような授業はしなくなりました。主体的に目立たないように 肩をすくめてる生徒さんをわざわざひっぱり出すのは乱暴と考えて。 目立つこと=つまはじきにされる、というイジメの構造がありますが、そんなことも影響してるのかなと思いました。 誰もが、空気を読み、当たり障りのない時間を過ごす。近年のクラスの雰囲気は実に「いい子」な感じです。


しかし、彼らは作品で主張してきます。 「言ってることがわかりません!」「こんな感じでいかがでしょうか!?」「今回は使ったことのない色に挑戦してきました!」作品が訴えかけてきます。 たった5日しかない講習会をフルに活用しようとしている彼らのメッセージをガチで見ていかないと、主張をうっかり聞き逃してしまいます。


結局、気合いの入った生徒とのセッションは今年もハードで、夏期講習が終わると私は真っ白な灰になっておりました(猛暑もあって)。 桑沢に入って、卒業して、誰もがだいぶ図々しくなるわけですから、ハイティーン時代はおとなしく、右から左へ受け流してもいいかもしれませんね。


飲み会、私が知らないだけで、やってるのかもですな…


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