桑沢デザイン塾・2007年第2期 、にぎやかに終了。 ( 2008年01月13日掲載 )

image_07_012007年第2期桑沢デザイン塾が10月13日より12月14日まで開催されました。

 

舞台美術の第一人者、朝倉摂さんの監修による講義「演劇を楽しもう−演劇空間」、サスティナブル(持続可能)な社会のためのモノづくりを考えるワーク ショップ「エコデザイン」、身近な素材の紙の可能性を探るワークショップ「カード!カード!カード!」の3講座で行われました(「デザインの最前線−桑沢 賞受賞者たち」は、都合により延期となりました)。

 

各講座とも、毎回受講生の皆様、講師の方々の熱気にあふれた展開で充実したものとなりました。 各講座の企画担当より、レポートをお送りします。

● 「演劇を楽しもう ─ 演劇空間」

image_07_02前回の桑沢デザイン塾2007年第1期「絵を描く」終了時に、朝倉摂先生から直々に 「今度、演劇について話をしたい」というオファーがありまして、同窓会で検討した結果「演劇を楽しもう ─ 演劇空間」を講座として開催する運びとなりました。8年前に(1999年3月開講)同様の講座を開いて以来の久々の講座です。

 

一回目の演出家の西川信廣先生には、演出全般についてお話いただきました。 一番の思い出は、終了まぎわの『役者になりたい人に面接を行う時、将来有望かそうでは無いかの判断をする時の面接の仕方がある』というお話でしたが、時間切れで次回の講座に持ち越しになりました。残念でした・・・

 

照明デザイナーの服部基先生は、教室にミニライトを3台持参されて「人の顔を美しく綺麗に見せるライティング」や「バックのライティング」の方法を実際に行いました。 生徒の皆様は興味深く先生のお話に聞き入っていました。

 

三回目の舞台美術家の朝倉摂先生は、前半は実際に舞台美術を手掛けた演劇について 映像を見ながら説明されて、後半は生徒さんの質問に精力的にお答えしていました。

 

「役者になるにはどんな勉強をしたらよいか?」等等プロデューサーの衛紀生先生 は、ご自分が手掛けた演劇について映像を見ながら説明されました。 また、今大学の方で教鞭をとっていて非常に大変だが、将来生徒さんが大きく巣立ってくれるのを非常に愉しみにしていると嬉しそうに話されていました。

 

最後の講演は、俳優の草笛光子さんと朝倉摂先生の対談形式で行われました。 草笛さんは、SKD時代の話から退団してからの菊田一夫氏との出合いなどを興味深いエピソードを交えながら語られました。 また、今年の1月18日〜30日に講演される『音楽劇 肝っ玉おっ母とその子どもた ち』の話に及ぶと、朝倉先生は舞台の構成とライティングについて、草笛さんは役作りと頭の髪の色をどんな色にするか悩んでいると言われ、お二人は、大変熱く語り合っていました。 生徒さんからもその『音楽劇 肝っ玉おっ母とその子どもたち』について多数の質問がありました。 また、朝倉先生より『音楽劇 肝っ玉おっ母とその子どもたち』のチケットを事前申し込みしていただいた方に「1割引き」にしていただけると言われまして、皆様大喜びで講座を無事終了致し、打上げパーティーも大いに盛り上がりました。

 

最後に、生徒の皆様また講演していただいた先生の方々そして、毎回セッティング等をしてくださった同窓会スタッフ、ボランティアの皆様本当にありがとうございました。 また、このような講座を桑沢デザイン塾はこれからも企画していきます。 どうぞ、その時は大勢の方々のご参加をお待ちしています。
(担当:中村)

●ワークショップ「エコデザイン」

image_07_03課題:「サステナブルな買い物かご」・・・未来の買い物の形態は?

 

○サステナブルな生活の中での食料品、日用品雑貨、洋服、家電製品、Web上からの購入など様々な買い物のシーンをイメージし、そのシーンにふさわしい買 い物用の・バッグ・カート・またシステムなど、柔軟でユニークな「買い物かご」をデザインし、提案してください。

 

上記のテーマでワークショップを進め、東京ビッグサイトで2007年12月13日(金)〜15日(土)に開催された「エコプロダクツ2007」に受講生の作品が展示されました。

 

エコバッグをより使いやすく・・といった具体的なテーマから、地産地消型の農産物のデリバリーのアイデアや、都市で歯抜けになったオフィスビルでの野菜や 果物の栽培とデリバリーのシステム、買い物を詰め過ぎると袋に描いてある顔がゆがんでしまうエコバッグ、再生ガラスで作った買い物籠(ガラスを地球に見立 て)詰めすぎ、乱暴に扱うと壊れてしまう・・など20点、近未来までを見据えた提案が展示されました。

 

今回の「2007エコプロダクツ」は3日間を通じて164,903人(昨年比11,937人増)が来場し、桑沢デザイン塾のブースはエコGOODデザイン・スクエア〜覗き見サステナブルライフ〜のトップコーナーに展示されました。子供連れの来場が目立ち、当ブースでも子供たちがパネルを読みながらモデルを手にするシーンが・・! 企業からの質問も多く、オファー等があった場合はまた報告いたします。
(担当&講師: 野口英明)

●ワークショップ「カード! カード! カード!」

image_07_04今回はじめて紙でつくるカードのワークショップでしたが、好評のうち無事終了しました。 長年紙と対話してこられ、それぞれ持ち味が違う吉田美幸さん、井上由季子さん、檜山永次さんに 紙の魅力と楽しさを教えていただきました。

 

身近にある紙ですが、絵を描く以外に折ったり、貼ったりすることは大人になって体験しなかった方も多いと思います。はじめのうちは戸惑っていた方も、手を動かし紙を触っていると緊張がほぐれるようになりました。

 

1本の折りを入れることで、平面が立ち上がり立体的になる瞬間を味わった驚きと面白さ・・・が次へ進む楽しさに。 実にこの講座でいままで気づかなかった能力にご自分で気づかれ、毎回新作カードを披露してくださる方もおられ、皆さんの絶賛を受けました。

 

まだまだ奥が深い紙の世界ですので、できれば第2弾を考えたいと思っています。 が、もう少し時間が長いほうが皆さんの満足度が上がったかなと実感しています。
(担当:赤羽なつみ)