道具供養 ( 2011年01月23日掲載 )

福岡市東区箱崎は、古くから職人の町として知られています。合屋善克さん(42L2B)は桑沢を卒業後、地元箱崎に戻り、実父の合屋善吉氏(昭和5年創業 翠雲堂)の元で、表具師古来の伝統技術を修業しました。「100年先の表具師に迷惑のかかる仕事はするな」と教えられたそうです。主に福岡市の美術館、博物館、図書館、神社、仏閣などの公文書や掛軸の修復を手掛け、修復にかかせない「古糊」にこだわり、技術の伝統を守っています。
師走の第一日曜日に合屋さんの工房では、昭和24年より毎年道具供養が行われています。今回(12月5日)出席をしました。道具供養とは、日頃使っている道具の労をねぎらい感謝し、新しい年に向けて良い仕事ができるよう願いを込めて道具を清める行事です。この日は道具を休めるので仕事を休みます。
合屋さんによると、「戦後、家の需要と共に建築が盛んになり休みなく働いてきました。忙しさが増す年の瀬を前に、道具供養は休養の意味もあったようです。」とのことでした。


中村徳子(55D2A)