
「2014年度夏期デザイン講座が終了しました。」 ( 2014年11月26日掲載 )

今年は毎年ご好評を頂いているデッサン、色彩構成、立体・図法のほかに、夜間特別講座として「桑沢製本教室」というワークショップと「好きを仕事にする」という対談がありました。
どの講座も講義中のみならず休み時間まで熱心に指導を受けにいらっしゃる生徒さんが多いなという点が印象に残りました。
課題や自身の作品集を持参し熱心に質問する様子に、講師の先生方も丁寧に答えていらっしゃって、その真剣なやり取りを見てこちらも心が洗われるような思いでした。
さて、以下は、「桑沢 製本教室」を担当さした馬原(まはら)からの報告です。
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書籍デザインの基本知識である「組版」「面付」「印刷」「製本」を一通り体験できるという内容です。
自分で文章を考えたり、本を綴じる工程はなかなか貴重ではないかと思います。
また本文には活版印刷を使用しており、活字を拾うところから組版まですべて受講生自ら仕上げて頂きました。
社会人の方で、デザイナーとして仕事をしているからこそ、今更聞けないこともあるかと思います。
そういった駆け出しデザイナーの方や、逆にまったく違うお仕事をされている方、これから職業を選択する若い方全ての人に
本のつくり方を体験してもらいたかったためです。
もう一つ、この企画をどうしてもやりたい理由がありました。
それは常々思っていたことで、デザイナーというものは机の上が一番の仕事場で、最終的な製品を作る現場を知らないことが多いように思うのです。
製品がなぜそうなっているのかという仕事の仕組みや、手を動かすときにどんな気持ちになるのかを少しでも感じることで、出来がより良いものになるのではないかと思っています。
私たち若い世代は、ものを作るときにパソコンがある前提で思考をスタートします。
それは自分たちでも良くないことだと危機感を覚えていて、
学校を卒業した後ももっと色んなことを知りたいと思っています。
是非これからも、みんなで勉強会のように、製作の現場を知れたら良いと思います。